01無人軍艦という新しい戦力
海の上に、乗員がいない軍艦が浮かんでいる。ブリッジに人影はなく、エンジンルームも無人だ。しかし、この船はレーダーで周囲を監視し、目標を自律的に追跡し、遠隔オペレーターの指示で武装を展開できる。これがSaronic社が作っている「自律水上艦(ASV)」だ。
Saronic社は2022年にテキサス州オースティンで創業された。創業者のDean Wagonerは、SpaceXやAndurilでのバックグラウンドを持つエンジニアだ。創業からわずか3年で、彼らは3つの異なるクラスの無人軍艦を設計・建造し、米海軍との$392Mの契約を獲得した。
無人航空機(ドローン)がすでに戦場を変えたように、無人水上艦は海戦の概念を根本から変えようとしている。一隻数十億ドルの空母やイージス艦に対して、数百万ドルの無人艦を大量に展開する。数で圧倒し、リスクを分散し、コストを劇的に下げる。これがSaronic社のビジョンだ。
023年で3クラスの艦を建造
Saronic社の実行スピードは、防衛産業の常識を覆すものだ。従来の軍艦建造は、設計から就役まで10年以上かかることも珍しくない。Saronic社はわずか3年で、3つの異なるサイズの無人艦を実際に建造して水に浮かべた。
この驚異的なスピードの背景には、Saronic社の「ソフトウェアファースト」アプローチがある。従来の造船は、まず船体を設計し、その上にシステムを載せていく。Saronic社は逆だ。まず自律航行ソフトウェアを開発し、それを載せる最適な船体を設計する。ソフトウェアが先、ハードウェアが後。
さらに、モジュラー設計を徹底している。3つのクラスは共通のソフトウェアプラットフォームを共有し、センサーや武装はモジュールとして着脱可能だ。これにより、同じ船体で異なる任務に対応でき、アップグレードも容易になる。
03$392M海軍契約の衝撃
2024年、Saronic社は米海軍から$392M(約590億円)の契約を獲得した。創業からわずか2年でのことだ。これは、スタートアップが米軍から獲得した契約としては最大級の規模であり、防衛産業の既存プレイヤーを震撼させた。
この契約の意味は大きい。米海軍は「Replicator」イニシアチブの下、無人システムの大量配備を進めている。中国海軍の急速な増強に対抗するため、低コストの無人艦を大量に展開して数的優位を確保する戦略だ。Saronic社はこの戦略の中核を担うサプライヤーとして選ばれた。
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